2009年2月11日水曜日

案内標識などで誘導

 和歌山県すさみ町にある世界遺産、熊野古道大辺路ルートの石垣がJR西日本発注の工事で壊された問題で9日、同社の辻子義則和歌山支社長が町を訪れて謝罪し、現場が熊野古道に当たるとは知らなかったと説明した。近辺では昨秋も測量業者が無断で樹木を伐採し問題となったが、どちらも原因は「古道に対する認識不足」と町は指摘する。
 壊された石垣は、イノシシの被害を防止するため江戸時代以前に作られたとされる「猪垣(ししがき)」で、高さ約50センチ。JR西は線路への落石防止ネット設置工事で資材を運搬するため、熊野古道自体と石垣を横断する形でモノレールを敷設。石垣の長さ約4・5メートルにわたってサッカーボール大の石を20数個崩した。
 世界遺産本体の「コアゾーン」での工事は、何かを設置するだけで文化庁へ報告し許可を得なければならない。JR西の説明によると、ネットを張る個所の地権者には工事と一部樹木の伐採について承諾を得たが、石垣部分の地権者には連絡をしなかったという。さらに同社は「インターネットで調べたが、あの場所が熊野古道であるとは知らなかった」と、認識の甘さを露呈した。
 町教委文化財担当の加森裕主幹は「石垣が壊された部分は熊野古道だが、観光ルートには入れていなかった」と明かした。当該個所はJR紀勢線の線路と交差するうえ踏切もなく、見通しも悪いため通行が危険だとの理由で、迂回(うかい)路を通るよう案内標識などで誘導しているという。JR西や工事業者は、こうした観光客向けの情報しか得ていなかったとみられる。
 加森主幹は「業者が自主的に(熊野古道か否かを)調査するのは当然だが、古道が近いのは知っていたはず。連絡を入れてくれれば…」と残念がり、「古道を看板だらけにするわけにもいかないし」と頭を抱える。近辺では昨秋にも、近畿整備局発注の測量業者が無断で樹木を伐採し問題となったばかり。今回の問題で改めて、世界遺産の重要性と相反する業者の認識の薄さが浮き彫りになった。
 県教委も事態を重視し、コアゾーンの現状変更許可を得ていない点が文化財保護法に抵触している可能性があるとして職員を9日午後に現場へ派遣し調査した。10日にも文化庁に調査結果を報告し、今後の対策の指導を仰ぐ方針という。 MSN産経ニュース

迂回の標識はきちんとしてもらわないと、ホント困りますよね。

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