木曽郡南木曽町で2004年3月に起きた信越放送(SBC、長野市)の取材ヘリコプター墜落事故で、死亡した4人の1人、同社報道部記者三好志奈さん=当時(26)=の遺族が、同社と国、中部電力(名古屋市)、中日本航空(愛知県豊山町)に損害賠償を求めた訴訟の判決が31日午前、東京地裁であった。鶴岡稔彦裁判長は中部電力に対して「送電線の安全性を備えるための措置を欠いていた」とし、責任について争わなかった中日本航空とともに計3200万円の賠償を命じた。SBCと国に対する請求は棄却した。 ヘリの運航会社だけでなく、送電線の設置者と監督する国、ヘリをチャーターした放送局の責任までが問われた異例の裁判だったが、判決は、送電線に標識を設置していなかった中部電力の過失責任を重くみる判断を示した。 原告側はSBCと国について控訴する方針を示した。被告側は中部電力が即日控訴する。 鶴岡裁判長は航空法などの規定から、地表から60メートル以上の高さにあった現場の送電線には標識の設置義務があったと認定。国道から送電線までの高さは約150メートルあったが、法解釈で「『鉄塔』は60メートル未満だった」などとして標識の設置義務はないとの見解を示していた中部電力の主張を退け、標識の未設置と事故との因果関係を認めた。 一方、取材地の安全確認など安全配慮義務違反の有無や、報道部幹部が「いい絵」を撮影するよう取材者に求めて危険な低空飛行につながったかどうかが争点となったSBCについては「安全確保は第1次的には機長に委ねられる」「『いい絵』を撮るよう求めたことは十分あり得るが、危険な飛行を要求した事実まで認めることは困難」とした。 国については「(事故前に)標識が未設置の送電線が少なからず存在することは認識し得た」としたが、「送電線接触事故が頻発し、国民に危険が切迫していたと言えるような客観的状況があったとまでは言えない」とした。 当初、損害賠償請求額の総額1億6千万円に含まれていた未払いの労働災害補償金4千万円については、係争中に信越放送側が支払うことで合意している。
信濃毎日新聞
標識あったからって、必ず見るわけでもないしねぇ。
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