京都につながる街道の主要な出入り口だった「京の七口」を後世に伝えるため、市民団体「京都5月村クラブ」が、七口のあった場所に石碑を再建することになった。第一弾として京都市下京区千本通七条の「丹波口」に石碑を設け、23日、除幕式を行った。 江戸時代の1717(享保2)年、京都町奉行によって「是(これ)より洛中」を示す石碑が30カ所に建てられた。「京の七口」はこのうちの主要な場所で「鞍馬口」「大原口」などがあった。京都に入る時は馬から降りるよう呼び掛ける、いわば交通安全対策の標識で、現存する10の石碑はすべて移築されているという。 「京都5月村クラブ」のメンバーは、こうした現状を、定期的に開いている京都の勉強会で歴史地理を研究する佛教大非常勤講師の中村武生さん(40)から聞き、今年のクラブ設立15周年を記念して再建を計画した。 「丹波口」の石碑は高さ1・2メートル、幅18センチ。白御影石で、正面に「是より洛中 荷馬口付のもの乗へからす」と彫り、側面に説明文を記して、七条通に面した京都市中央卸売市場第一市場の敷地内に置いた。 除幕式には関係者約20人が参加し、完成を祝った。同クラブ会長の浅野晃一郎さん(69)=右京区=は「市民や観光客に京都の歴史を正しく理解してもらうきっかけになれば」と話した。
京都新聞
標識はわかりやすいのが1番ですよね
2008年6月19日木曜日
ワンマン電車
JR和歌山線のワンマン電車を無人の布施屋(ほしや)駅で降りる。光恩寺までは一本道のはずだが、その道はどこ? 悩む間もなく、標識を見つけた。そうか、一本道は熊野古道だったのだ。
熊野古道といっても、このあたりは町中なので舗装道路。でも、ウイークデーの昼下がり、歩いている人には出会わない。急に視界が開けた前方に2本の杉の巨木と本堂の屋根が見えた。
左右に巨木を従えた山門をくぐると、正面の本堂の前にクリスマスツリーのような大きな木がまた2本。近づくと、それぞれの木は1本ではなく、何本か密集した樹木を三角形に刈りそろえたものだった。もちろん、ツリーではない。
「さあ、これは何の木ですかねえ。前からあったもので……」。出迎えてくれた江川和樹住職はおおらかな方だった。
寺伝によると、寺は天正19(1591)年、地元の領主、津田監物に招かれた三河の名僧、信誉上人が開基。その後の元和7(1621)年、初代紀州藩主・徳川頼宣が家康の3女で姉にあたる正清(しょうせい)院の墓を建立したことから、徳川家の保護を受けて繁栄した。
ちょっと待ってください。津田監物といえば、国産鉄砲の元祖、根来鉄砲衆の統率者ですよね。事前に調べてきたのですが、監物は1568年に亡くなっているので勘定が合いませんが……。
「津田家では、監物の名は世襲されていて、鉄砲の元祖は監物算長(かずなが)。寺を造ったのは監物算正(かずまさ)ですから、息子の方の監物ですね。でも、寺には算正の墓のほか、算長の位はい、それに算長と伝えられる墓もあります」
そうか、雑賀孫市の墓を訪ねた蓮乗寺(昨年8月28日付)でも、孫市の名が世襲制だっために、司馬遼太郎の小説「尻啖(くら)え孫市」の主人公の墓なのかどうか混乱したことがあります。雑賀衆や根来衆の頭領の名は世襲制が多いのですね。もう一つ。頼宣が正清院の墓を建てたいきさつは?
「よくわからないのですが、信誉上人は三河松平家の出で、家康のいとこと聞いたことがあります。頼宣に漢文を講義したそうですから、そうした縁ではないでしょうか」
信誉上人は、徳の高いお坊さんで、光恩寺に伝わる七不思議の一つに「鳴かずの蛙(かわず)」というのがあるという。夏、カエルのやかましい声が勤行の邪魔になるので、上人がしかりつけると以後は鳴かなくなった。「蛙まで黙って聞くや法の道」と歌われたそうだ。
そうすると、今でも寺ではカエルが鳴きませんか? と意地悪な質問をすると、「いやぁ、鳴いてます。これ、あまり書いてほしくないのですが……」と、ご住職。ごめんなさい、書いてしまいました。
七不思議では、鐘楼の話も面白い。作兵衛というあこぎな酒造業者がいて、他人を苦しめて巨財の富を集めた。死後、無間地獄に落ちたため、遺族が遺産を投じて鐘を造り、光恩寺に寄進した。郡誌によれば、寺は毎夜48回ずつ鐘をついたが、その時だけ作兵衛は浮かばれたので「作兵衛うかべの四十八鐘」というそうな。
江川住職と一緒に境内へ。これがその鐘ですね。48というのは、仏教でいう願いの単位なのだそうですが、今も毎晩ついているのですか。
「今は夜はつきません。このあたりは、田に出ている人が多いですから、時鐘として朝6時と11時半、それに午後5時の3度、6回ずつ鐘を鳴らします。実はこれ、タイマーがついていて自動式。人がいないのに撞木(しゅもく)が動いて鐘をつくので、参拝の方がびっくりされることがあるんです」
自動式ですか。作兵衛もビックリでしょう。そうか、作兵衛さんは地獄に行きっぱなしになってしまったんで、ご存じないかも知れませんな。
(次回は24日)<文と写真、編集委員・池谷洋二>
==============
■メモ
和歌山市大垣内663。JR布施屋駅から徒歩15分。開山忌は毎年4月1日。境内自由。駐車場あり。電話073・477・0146。
毎日新聞
ワンマン電車っていいですよねぇ
熊野古道といっても、このあたりは町中なので舗装道路。でも、ウイークデーの昼下がり、歩いている人には出会わない。急に視界が開けた前方に2本の杉の巨木と本堂の屋根が見えた。
左右に巨木を従えた山門をくぐると、正面の本堂の前にクリスマスツリーのような大きな木がまた2本。近づくと、それぞれの木は1本ではなく、何本か密集した樹木を三角形に刈りそろえたものだった。もちろん、ツリーではない。
「さあ、これは何の木ですかねえ。前からあったもので……」。出迎えてくれた江川和樹住職はおおらかな方だった。
寺伝によると、寺は天正19(1591)年、地元の領主、津田監物に招かれた三河の名僧、信誉上人が開基。その後の元和7(1621)年、初代紀州藩主・徳川頼宣が家康の3女で姉にあたる正清(しょうせい)院の墓を建立したことから、徳川家の保護を受けて繁栄した。
ちょっと待ってください。津田監物といえば、国産鉄砲の元祖、根来鉄砲衆の統率者ですよね。事前に調べてきたのですが、監物は1568年に亡くなっているので勘定が合いませんが……。
「津田家では、監物の名は世襲されていて、鉄砲の元祖は監物算長(かずなが)。寺を造ったのは監物算正(かずまさ)ですから、息子の方の監物ですね。でも、寺には算正の墓のほか、算長の位はい、それに算長と伝えられる墓もあります」
そうか、雑賀孫市の墓を訪ねた蓮乗寺(昨年8月28日付)でも、孫市の名が世襲制だっために、司馬遼太郎の小説「尻啖(くら)え孫市」の主人公の墓なのかどうか混乱したことがあります。雑賀衆や根来衆の頭領の名は世襲制が多いのですね。もう一つ。頼宣が正清院の墓を建てたいきさつは?
「よくわからないのですが、信誉上人は三河松平家の出で、家康のいとこと聞いたことがあります。頼宣に漢文を講義したそうですから、そうした縁ではないでしょうか」
信誉上人は、徳の高いお坊さんで、光恩寺に伝わる七不思議の一つに「鳴かずの蛙(かわず)」というのがあるという。夏、カエルのやかましい声が勤行の邪魔になるので、上人がしかりつけると以後は鳴かなくなった。「蛙まで黙って聞くや法の道」と歌われたそうだ。
そうすると、今でも寺ではカエルが鳴きませんか? と意地悪な質問をすると、「いやぁ、鳴いてます。これ、あまり書いてほしくないのですが……」と、ご住職。ごめんなさい、書いてしまいました。
七不思議では、鐘楼の話も面白い。作兵衛というあこぎな酒造業者がいて、他人を苦しめて巨財の富を集めた。死後、無間地獄に落ちたため、遺族が遺産を投じて鐘を造り、光恩寺に寄進した。郡誌によれば、寺は毎夜48回ずつ鐘をついたが、その時だけ作兵衛は浮かばれたので「作兵衛うかべの四十八鐘」というそうな。
江川住職と一緒に境内へ。これがその鐘ですね。48というのは、仏教でいう願いの単位なのだそうですが、今も毎晩ついているのですか。
「今は夜はつきません。このあたりは、田に出ている人が多いですから、時鐘として朝6時と11時半、それに午後5時の3度、6回ずつ鐘を鳴らします。実はこれ、タイマーがついていて自動式。人がいないのに撞木(しゅもく)が動いて鐘をつくので、参拝の方がびっくりされることがあるんです」
自動式ですか。作兵衛もビックリでしょう。そうか、作兵衛さんは地獄に行きっぱなしになってしまったんで、ご存じないかも知れませんな。
(次回は24日)<文と写真、編集委員・池谷洋二>
==============
■メモ
和歌山市大垣内663。JR布施屋駅から徒歩15分。開山忌は毎年4月1日。境内自由。駐車場あり。電話073・477・0146。
毎日新聞
ワンマン電車っていいですよねぇ
2008年6月2日月曜日
道路標識をのせた不審車
[米ニューハンプシャー州マンチェスター 1日 AP] 「駐車場に変な車があるんです」、そう市民から通報を受けた警察が現場に駆けつけてみると、そこにあったのは“駐車禁止”の標識をフロント部分にのせた1台の車だった……カンバーランド農場の関係者から通報があったのは木曜日の夜明け頃。警察が調べたところ、車内で眠っている1人の女性(23)を発見した。警察はマリファナ所持容疑でこの女性を逮捕した。標識に衝突する事故を起こした後、この駐車場までそのまま走ってきたとみられているが、その事故現場がどこなのかは現在のところ不明となっている。
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